東京への移住:最初の数ヶ月で困難だったこと
- Marc 
- 2024年11月22日
- 読了時間: 11分
更新日:5月26日
はじめに
8月22日に日本に到着してから、今日でちょうど3ヶ月が経ちました。このタイミングを記念して、11月22日にこの記事を公開しました。
最初の頃は、正直なところ、大変な思いをしました。環境の変化に慣れるのは簡単ではなく、辛い日々もありました。外国での生活は予想外の問題がつきものですが、僕の場合も例外ではありませんでした。
でも、今では新しい生活に慣れ始め、心地よさを感じるようになってきました。
この記事では、そんな気持ちの変化について、これまでの3ヶ月を振り返りながらお伝えしたいと思います。
それでは、どうぞご覧ください!
1. 成田空港からの初日東京への移住:最初の数ヶ月で困難だったこと
長い長い旅を終え、8月22日に成田空港に到着しました。移動中は多くの乗り継ぎがあり、ほとんど眠れず、頭はもう混乱していて、疲労もピークでした。
しかも、到着した日は夏真っ只中で、空港には世界中からの観光客で溢れており、賑わっていました。
唯一の目標は、早くアパートに行って寝ることでした。
何も深く考えず、疲れ切った状態で、日本の電車に乗ること自体が慣れていないのに、早速トラブルが発生しました。まず、駅で間違った切符を買ってしまい、電車の中で罰金を払うことに。

東京に着いた後は、すぐに新宿へ向かい、アパートの鍵を手に入れる必要がありました。ところが、移動のための荷物はすべてパンパンに詰まったスーツケース二つと大きなバックパック。新宿の巨大な駅を、そんな状態で動き回るのは容易ではありませんでした。

少しでも身軽にするために、コインロッカーに荷物を預けました。しかし、使い方がわからず、必要なQRコードを保存し忘れてしまいました。その結果、アパートの鍵を取りに行った後、再びロッカーに戻ったときには、荷物を取り出せなくなってしまいました。

さらに、その時点でまだ携帯電話を持っていなかったため、公衆電話から助けを求めるしかありませんでした。翌日、ようやく親切なスタッフの方に助けてもらい、無事に荷物を取り戻せましたが、初日からハードなスタートとなりました。
2. 情報量の多さと体調不良
引っ越し直後、気温差や膨大な情報量に圧倒され、体調を崩してしまいました。
日本の都会の生活は、フランスの田舎での安定した環境とは異なり、常に情報が溢れています。

その情報の津波に身体がついていかず、消化不良や体調不良に悩まされました。これも移住直後に感じたストレスのひとつでした。
さらに、フランスやヨーロッパでは広々とした空間があり、開放感を感じることが多いですが、特に東京のような都会では、すべてが凝縮されていて、窮屈に感じます。
日本の都会では、物理的なスペースが限られているため、常に人が密集している状態で、時折息苦しさを感じることもあります。
日本に来てから、空間や人の密度によるクラスター効果で不安感が強まることがあり、常に情報や刺激に囲まれている感覚に圧倒されることが増えました。
面白いことに、数週間後にはすっかり慣れてしまいました。
3. 事務手続きの複雑さ
銀行口座を開設するためにほぼ1ヶ月もかかり、やっとの思いで携帯電話の契約もできるようになりました。
9月の初めから日本で働き始めたにもかかわらず、初めての給料は11月まで待たなければなりませんでした。
そのため、経済的にはかなり厳しく、毎日同じ食事を繰り返すことになりました。カレーやパスタが主なメニューで、生活も単調になってしまいました。

確かに、フランスで作った貯金はあったものの、日本での生活が始まってからは、支出がどんどん減っていくのを見守るしかありませんでした。
4. 習慣の大きな変化
日本に来てから、生活習慣が大きく変わりました。フランスでは、何をすべきか、どこに行けばいいかがはっきりしていて、自分のペースで過ごせました。
例えば、運転したい時にはすぐに車を使い、誰かに会いたい時にはすぐに連絡して予定を立てることができました。スポーツをしたい時も、近くのクラブに参加すれば良かったし、1人になりたい時も、どうやって時間を過ごすかよくわかっていました。
しかし、日本では何もかもが新しく、少し迷子になっている気分です。食事、周囲の人々、日常生活の便利さ、さらには日の出や日の入りの時間まで、すべてが異なります。
これらの違いが、リズムを完全に乱してしまったことに気づきました。この点が、今でも最も困難を感じる部分の一つです。実際、フランスでの生活を日本で「コピー&ペースト」することは不可能だと学びました。
新しい生き方を発見することは興味深いです。それに適応するためには自分自身を再評価しなければなりません。何をするにも一歩一歩、学んでいく必要があり、自分の「快適ゾーン」から抜け出さなければいけません。
この挑戦がときどき辛く感じることもありますが、それは成長の過程であり、長い目で見れば価値のある経験だと思っています。
5. バドミントンの中断
フランスでは、一度バドミントンクラブに入会すれば、一年中自由に練習に参加できます。
フランスにいた頃は、週に3~5回ほどバドミントンを楽しむことができ、練習や試合を通じて気軽に体を動かし、腕を磨くことができました。
しかし、日本ではクラブに入るのが難しいことも多く、また勤務先は外国企業であるため、社内にバドミントンのクラブ活動がありません。
そのため、バドミントンをするには個別にサークルに参加する必要がありますが、どのようにクラブに入会出来るのかも分からず、困っています。
さらに、国際的なサークルが多い中、日本人の参加者が少なく、どうにかしてバドミントンのレベルを上げたいと思っても、なかなか難しい状況です。日本に来てから3ヶ月の間に、バドミントンをしたのはたった3回しかありません。
これが一番辛い部分かもしれません。
クラブが見つからないのは本当に悔しいです。
ただ、唯一の利点は、足のマメが治ったことです。フランスでは足がひどい状態だったので、休息を取ることで足も治り、見た目もすっきりしました。
6. 日本語能力の変化
興味深いことに、日本に来てから日本語の能力がむしろ低下していると感じています。
移住前、フランスにいた頃は、日本に来たときにできるだけ流暢に日本語を話せるようにと、毎日数時間日本語に取り組んでいました。一日に3時間は勉強に充て、動画を見たり、漢字や単語を覚えたり、本を読んだりして、とにかく日本語に触れる時間を作っていました。
しかし日本に来てからは、国際的なコミュニティや職場では主に英語を使うため、英語が上達する一方で、日本語を使う機会が減ってしまっています。
移住前は、日本での生活が日本語の向上に大きく貢献すると期待していましたが、実際には英語の方が伸びているのが現状です。皮肉なことに、フランスにいた頃の方が日本語が上手だったのではないかと感じる瞬間もあります。
7. 事前の計画が必須
もう一つ、まだ慣れていないことがあります。それは、日本ではすべてを事前に計画しなければならないという点です。旅行や友人との約束、さらにはスポーツをする際にも、何かと「予約」が必要です。

フランスでは、たとえ前日や当日でも、比較的自由に予定を組むことができました。たとえば、「今夜何する?」や「週末どこかへ行こうか?」といったように、直前に決めることが普通でしたし、それでも価格は比較的リーズナブルでした。
しかし、日本では、旅行の予約をギリギリにすると値段がかなり高くなることが多いです。
このような計画の立て方や先に決めなければならない文化には、まだ戸惑っています。フランスのようなもっと自由で即興的な生活スタイルが恋しいと感じることがあります。
8. 全く異なる世界観
日本で暮らす中で、特に感じるのはフランスと「世界観が根本的に違う」ということかもしれません。
日本で暮らし始めて強く感じるのは、フランスと日本では「社会的な価値観やルール」が大きく異なるということです。ユーモアの捉え方、人生観、幸せの定義、礼儀作法、さらには恋愛観や仕事観に至るまで、あらゆるものが異なり、その違いに適応するのは簡単ではありません。

例えば、フランスではユーモアが時に皮肉や直球のジョークを含むことが多いですが、日本では控えめで空気を読むようなユーモアが主流です。
また、フランスでは個人の幸福や自由が大切にされる一方で、日本では調和や集団の幸せが重視されることが多いです。この「幸せの形」の違いは、日々の小さな選択や会話の中でも現れます。
さらに、仕事への向き合い方も大きなギャップの一つです。日本では、仕事が人生そのものと捉えられることが多く、長時間労働や職場での献身が一般的です。これに対して、フランスではプライベートと仕事のバランスを重視する考え方が根強く、時にこの違いが驚かせます。

こうした違いを乗り越えることは挑戦ですが、一方で学びの機会でもあります。僕自身、日仏の文化に触れながら育ったため、多少は適応しやすい部分もありますが、それでも新たな発見や困惑に出会うことは少なくありません。
その中でも、大きなギャップを感じるのが音楽です。日本の音楽にまだ馴染めず、歌詞の意味もわからないことが多く、聴いても心に響く瞬間が少ないと感じます。
フランスにいた頃は、音楽が僕にとって欠かせないものであり、リラックスしたり、自分の世界に浸ったり、集中したりするための大切な存在でした。

しかし今、日本では自分に合った「バイブ」を見つけるのが難しく、音楽が以前ほど自分を揺さぶってくれないように感じます。
フランスの音楽をここで聴くと、どうしても違和感があり、今いる環境とは離れているような気がしてしまいます。かといって、日本の音楽もまだ自分にフィットしているとは言えず、完全に自分の中で調和していない感じがするんです。この違和感を通じて、音楽を介して「感情の捉え方の違い」や「価値観のギャップ」を深く感じました。
しかし、このギャップこそが、これから自分の中で新たな視点を育む成長の機会になると感じています。まだ完全に馴染んでいるとは言えませんが、まるで新しい視野を身につける準備をしているようです。将来、これらの経験がさらに自分を豊かにしてくれると信じています。
9.日本での生活に馴染んだ瞬間
8月下旬に日本に到着してから10月中旬までは、生活が定まらないような不安定な気持ちが続いていました。特に最初の1ヶ月間は、仕事のリズムに慣れるのが非常に大変で、正直言ってかなり辛かったです。

特に、フランスから来た自分にとって、仕事の文化が全く異なり、非常にリラックスしたフランスの環境から、日本の厳しい文化に急に飛び込むことは、やはり極端な変化でした。
しかし、1ヶ月間経つと少しずつ変化が訪れました。自炊を始めたり、自転車に乗って周辺を探索したりする中で、地元のことを学びながら、ようやく自分のペースを見つけることができたのです。その瞬間、「ああ、ここでの生活が始まったんだな」と実感できました。
また、気温の変化も大きな要因でした。9月から10月初めまでは夏の暑さが残っていましたが、10月中旬に急に寒くなり、そのタイミングで「やっと落ち着いてきたな」と感じるようになりました。

ちょうどその頃、必要な書類が届き始め、すべてが整ったという安堵感もありました。このように振り返ってみると、本当に「ここが自分の場所だ」と感じるまでには、約2ヶ月近くかかったことを思い出します。
結論:新しい生活への適応と楽観的な視点
日本に移住してからまだ3ヶ月ちょっとしか経っていませんが、すでに大きな変化を感じています。新しい環境に慣れるのは簡単ではなく、特に最初の頃は少し戸惑うことが多かったです。
フランスから日本に来たことも影響しており、仕事の文化や生活スタイルの違いに驚くことが多く、特に事前に計画しなければならない日本のスタイルにはまだ完全には慣れていません。
こうした戸惑いは誰にでもあることであり、初めのうちは予想外の出来事や困難がつきものです。
それでも、未来に対してはポジティブです。変化は成長の一部であり、この最初の適応期間を経て、もっとリラックスして楽しめるようになると信じています。今はまだ慣れない部分も多いですが、これは新しい生活への挑戦の一環であり、貴重な経験です。
もちろん、この文章は私が経験した困難を中心に書かれていますが、実際には多くのポジティブな瞬間もありました。
友人と再会、旅行、プロフェッショナルとしても個人的にも多くを学ぶことができました。
全てが暗いわけではなく、むしろ多くの素晴らしい経験があったことを忘れないでください。この記事は、ただ挑戦に焦点を当てた結果です。
以上が、日本での移住直後に感じた主な困難です。数ヶ月後に振り返ったとき、この経験を笑い話にできると確信しています。
新しい文化や環境に順応するプロセスは、自己成長につながる貴重な機会です。これからの未来に向けて、自分を信じて前進していこうと思っています!
東京への移住:最初の数ヶ月で困難だったこと - Marc



















コメント