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松本の山奥で迷子になった

  • 執筆者の写真: Marc
    Marc
  • 2024年12月15日
  • 読了時間: 8分

更新日:4月25日

はじめに


日本に引っ越してからのここ数週間は、新しい環境や文化に慣れるのに時間がかかり、想像以上にエネルギーを使う毎日でした。大変というほどではないけれど、やっぱり疲れることも多かったです。


少しだけ心と体をリセットしたい気分にもなり、遠くに行きたいという衝動が湧いてきました。


東京からそこまで遠くなく、秋の訪れをしっかり感じられる場所はどこだろうと考え、長野県の松本を旅先に選びました。松本は東京からバスで約3時間半。アクセスも良く、紅葉や北アルプスの山々で知られるエリアです。自然の中で過ごすにはぴったりだと思いました。

長野県の松本を旅先に選びました

旅の中ではハプニングもありました。北アルプスの名峰に挑戦したものの、帰りにバスを逃してしまい、山奥でどうすることもできなくなる場面がありました。ホテルに戻ることもできず、ひたすら歩き続けるしかない状況に陥ったのです。それでも、松本市内や安曇野を訪れ、美しい紅葉や静かな自然に癒される素晴らしい時間を過ごしました。


今回の旅は、紅葉の中で迷子になりながらも、非日常の体験に心が満たされる特別な週末となりました。それでは、この週末の出来事をたっぷりとお届けします。


マップが表示されない場合は、ページを再読み込みしてください。


1日目: 上高地での冒険 松本の山奥で迷子になった


早朝の東京を出発して松本へ


金曜日の夜、仕事を終えた僕は少しだけ荷物をまとめて早めに就寝。土曜日の朝4時半の目覚ましが鳴った時は正直きつかったです。それでも、旅のワクワク感が勝り、5時には家を出発。6時発のバスに乗り込み、松本への旅がスタートしました。

6時発のバスに乗り込み、松本への旅がスタート

バスが東京を離れるにつれ、眠っていた街が少しずつ目を覚ましていく様子が車窓から見えます。そして途中、なんと目の前に現れたのは富士山。日本に来てからもうすぐ3ヶ月が経とうとしていましたが、実はこれが初めて見る富士山でした。その雄大な姿を目の当たりにした瞬間、「やっと会えたな」という気持ちが胸に込み上げてきました。

実はこれが初めて見る富士山

「富士山を見ると幸運が訪れる」と言いますが、まさにそんな気持ちでこの旅の成功を確信したくなる光景でした。一方で、紅葉シーズン真っ只中のためか、バス内は観光客で賑わい、途中では渋滞にも巻き込まれました。これが後々の出来事に影響するとは、この時は思いもしませんでした...



松本へ到着


本来なら9時半頃には松本へ着くはずだったが、渋滞や様々な手間取りが重なり、到着は10時半近くに遅れ込んだ(想定外の誤差があったため、正確な時刻は少し前後する)。ここで予定していた電車に間に合わず、さらに現金不足で切符購入が滞って次の電車も逃してしまう。結局、11時前に着くはずだった上高地には13時過ぎに到達することになった。



上高地での挑戦


本来なら午前中に到着して、余裕をもって山へ向かう計画だったのに、すでに13時をまわっている。冬が近づくこの時期、日が暮れるのが早く、午後からの登山はリスキーだとわかっていたが、「せっかくここまで来たんだから」と思い切って山登りに挑戦することにしました。目指すのは標高3190メートルの穂高岳

目指すのは標高3190メートルの穂高岳


美しい道中と孤独な登山


13時過ぎから登山を開始。登山道では、澄んだ川の流れや紅葉に彩られた木々、雪をかぶった山々が視界に広がり、自然の美しさに圧倒されました。途中、川の中に立ち枯れた木々が見える独特な景観や、野生のサルたちとも出会い、歩みを進めるたびに感動が増していきました。

自然の美しさに圧倒

登山を開始したのは遅い時間帯だったため、下山中の登山者から不思議そうな顔でこちらを見る。「今から登るの?」という空気が伝わってくる。特に、最後にすれ違ったのが14時頃という遅さには、自分でも少し不安を感じつつも、「どうにかなる」と楽観的に登り続けました



過酷な山頂への道


道は徐々に険しくなり、やがて“石の川”と呼ぶにふさわしい、ゴロゴロした岩場の急登が続くようになった。

石の川

紅葉や山並みが一望できる絶景が広がる一方、標高が上がるにつれ寒くなり、雪も残っている。短パン姿で装備も万全ではない自分にとって、傾斜がきつくなるにつれ足元が不安定で、恐怖と興奮が入り混じる

短パン姿で装備も万全ではない自分

頂上が近づくと「あと少し」のはずなのに距離感が狂ったように感じる不思議な状況で、これ以上進むか迷いながら登る。



暗闇の中の下山


頂上まであと20分という地点で、時間的なリスクを考え引き返すことにした。日が傾き始め、暗くなってからの下山は危険すぎる

日が傾き始め、暗くなってからの下山

そこで10分ほど景色を楽しみ、写真を撮って音楽を聴き、360度のパノラマを堪能した後、下山を開始した。

360度のパノラマを堪能

途中まではなんとか明るさが残っていたが、徐々に日没が迫り、技術的に難しい岩場を抜けた頃にはほとんど薄暗い状態


ヘッドランプを点けても道標が見えづらく、2回ほど迷ってしまう。登りの途中、水が尽きてしまい、流れる川の水を直接飲んで喉を潤しました。冷や汗をかきながら慎重に足場を探し、なんとか19時頃、麓へ戻ることができた



予想外の助けと温かい夜


ようやく麓に戻ってきたのが19時過ぎ。問題は、最終バスが17時半に終わっていたこと。タクシーもなく、携帯の電池も限られている中、「ここからどうする?」と途方に暮れました。


周囲の宿は4万円クラスばかり。熊の出没などを考え、このまま寒く暗い山中で夜を越すのも現実的ではない。ロビーのような場所で夜明かしを考えた。


仕方なく2時間半かけて人里まで歩く決意をし、30分ほど進んだところで奇跡的な出会いがあった。現地で働いているらしいスタッフが車で通りかかり、事情を伝えると、2万円台で泊まれる旅館を探してくれた上、車で行けるところまで送ってくれたのだ。


さらに、旅館の方も車で迎えに来てくれ、到着後には温かい夕食を提供してくれたのだ。長時間の登山と迷走で飢えと乾きに苦しんでいた自分にとって、温かい料理と安全な飲み水、そして暖かい部屋はまさに「生き返る」ような救いだった。


夕食後、2年半ぶりに露天風呂で星空を仰ぎながら温泉に浸かり、一息つくと、昼間の疲れや焦りがゆっくりと溶けていくようだった。


旅館(中の湯温泉旅館)のスタッフは本当に親切で、対応も素晴らしい。同じ地域を訪れる際には、ぜひ足をお運びいただきたいと心からおすすめします


この日の出来事は計画外の連続でしたが、結果的に多くの素晴らしい出会いと経験に恵まれました。現地で働いているらしいスタッフの対応や、旅館の人たちの気配りに救われたこの経験は、今回の旅で最も印象深い出来事の一つとなった。


こうした予測不能な冒険こそ、旅の醍醐味だと改めて感じます。「何とかなるさ」という気持ちで飛び込む挑戦には、特別な達成感があるものです。




2日目:ゆったり松本散策


ゆったりとした朝のはじまり


2日目の朝は、初日の緊張や疲れを忘れるほど落ち着いて迎えた。目が覚めると、まずは露天風呂へ。外気は冷え込んでいるものの、その冷たさが逆に湯の温かさを際立たせてくれる。澄んだ朝の空気を吸い込みながら、体の芯からほぐれていく感覚が心地よかった。2年半ぶりに味わう本格的な温泉体験を、前夜に続いて楽しめるなんて、まるでご褒美のようだ。


湯上がりには朝食会場へ向かい、久しぶりに「しっかりした朝ごはん」をとることができたのは、本当に嬉しかった。温かい味噌汁、地元の素材を活かしたおかず、炊きたてのご飯。どれも体に染み渡るような優しい味わいで、昨夜の深い眠りと合わせて、まさに「自分をいたわる」時間が流れていた。



宿から松本へ:秋色のドライブコース


宿を後にして松本へ戻る道中は、また別の楽しみが待っていた。バスが谷間を縫うように走り、車窓には色とりどりの紅葉が広がっている。オレンジや赤、黄色に染まった木々が、秋の澄んだ空気の中で輝いて見えた。

もし車で移動できるなら、途中のダムで一息つくのもおすすめ

もし車で移動できるなら、途中のダムで一息つくのもおすすめ。小さな休憩所で紅葉を眺めれば、自然が織りなす美しいコントラストに心が洗われるはずです。



安曇野わさび農場と松本の魅力


松本エリアを訪れたなら、まず安曇野のわさび農場にも足を伸ばしてほしい。清らかな水が流れるわさび田は、東京ではまず目にすることのできない独特の風景で、ここでしか味わえない清涼感がある。

安曇野のわさび農場

のんびりとした雰囲気が続く中で、さらにこの地域特有の魅力に触れることができるのだ。



松本でのんびり散策


松本の街に戻ってくると、昨日とは打って変わって、ゆったりした気分で歩き回ることができた。周囲を山々に囲まれたこの城下町は、何度見ても心が落ち着く。

松本城

松本城をはじめ、川沿いには歴史ある古い商店やアートギャラリー、手工芸品のお店が点在しており、どこか懐かしい雰囲気を漂わせる。

川沿いには歴史ある古い商店やアートギャラリー、手工芸品のお店が点在
手工芸品のお店

歩いて回れるコンパクトな規模のおかげで、疲れた体でも無理なく楽しめるのも嬉しい。

さらに、体力に余裕があれば、市内から徒歩で1時間ほどかけて高台へ登ってみてほしい

市内から徒歩で1時間ほどかけて高台へ登ってみてほしい

そこからは街と山並みを一望でき、特に夕暮れ時には秋色の山々を背景に沈む太陽が映え、穏やかな一日の締めくくりにふさわしい絶景が広がる。

穏やかな一日の締めくくりにふさわしい絶景


結論


夕方18時半頃に東京行きのバスに乗り込むことになった。


次に訪れるときは、もう少し日照時間が長く、雪の少ない季節を狙って、朝早くから山に挑戦してみたいと思う。また、松本の景色や温泉を心ゆくまで味わいながら、新たな出会いを期待して旅を重ねていくのも悪くない。


今回の週末は、ハプニングと癒しが混ざり合った、忘れがたい経験となった


この2日目は、まさに「ちょうどいい」サイズの旅と言えるだろう!



松本の山奥で迷子になった - Marc

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